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トレーニングでの新役割

FCBのキーパー、史上初の攻撃参加

FCBのペナルティーエリア内は今日、大混雑。6人の大型選手がひしめき合い、右サイドから入ってくるボールを我が物にしようと争っていた。ボールは起動を落とし、ちょうどヘディングができるぐらいの高さとなる。そこに2本の手が伸びてきて、ボールを確実にキャッチ。なだれ込んできた相手選手をジャンプしてかわすヨルク・ブット。これが真剣勝負ならFWは息つく暇もないだろうが、幸いにもこれはトレーニングなので状況は異なる。トレーニングで相手選手の代わりに使用されているのは、にこやかな表情とともにユニフォームと黒い髪を描かれ、空気で膨らまされたプラスチック製の人形だからだ。この人形はFCBゴールキーパーのスパーリング用に使用されている。

「これは、例えば選手に標準を合わせてセンタリングを入れる練習にうってつけなんだ。」とfcbayern.deに語るのは、ヴァルター・ユングハンス。身長190cmのプラスチック製のチームメイトたちを指差す。「確かに人形は動かないが、ゴールキーパーは常に選手の位置を確認しなければいけないし、試合本番のようにボールを競ってジャンプしたり走ったりしなくてはいけないんだ。」と、FCBのゴールキーパー担当監督。

ルイス・ファン・ハール監督のコンセプトでは、ゴールキーパーに対して特別な要求が課せられている。「オランダのゴールキーパーの役割は、ドイツのとは違うんだ。11人目のフィールドプレイヤーなんだよ。だから積極的に試合に参加して、ディフェンダー陣をサポートしなくちゃいけないんだ。監督にとってはすごく重要なことだよ。」と、ブットは語っている。

これまで監督がFCBで行ってきたトレーニングの中でも、このゴールキーパーの練習はよく見うけられる。ブットとミヒャエル・レンジンクは最後方から守備陣に指示を出し、早めにボールをキャッチできるようにゴールのはるか手前にて構えることが多く、パスの受け手としても試合に積極的に参加している。「ファン・ハール監督はゴールキーパーが試合にたくさん参加し、常にディフェンス陣に指示を出して、守備を固められる存在であることを望んでるんだ。」とユングハンス。

また、ひとたびボールを手にすれば、反撃の先導者ともならなければいけない。「ゴールキーパーはオフェンス陣の一番手でもある。」と言うユングハンスは、素早い試合展開に向けてこの練習に集中的に取り組んでいる。キーパーはボールを確実にキャッチしたあと、素早く2、3歩踏み出して、相手ゴール前にいるフリーの選手まで正確なゴールキックを送らなければいけないという。ハードな練習を横目に、プラスチック製の人形たちには笑顔が絶えない。