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歴史的な決勝進出

言葉では表現できない劇的な瞬間

試合終了後にウリ・ヘーネスは選手全員と熱い抱擁を交わし、滅多に感情を表に出さないカール=ハインツ・ルンメニゲからも監督や選手を含めたクラブを誇りに思っている様子が明らかに感じられた。また、レアル・マドリッドの監督であるジョゼ・モウリーニョは試合後にFCバイエルンのロッカールームを訪れ、選手全員と握手をして勝利を称えている。FCBは水曜の夜にマドリードでPK戦までもつれ込んだ接戦を制し、地元ミュンヘンで行われる決勝への切符をつかむという「歴史的快挙」を成し遂げている。

5月19日にアリアンツ・アレーナで行われる決勝進出を目標に、エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウでのセカンドレグを果敢に戦った選手たち。「総合的にも私がこれまでに見た中で最も激しく、最も感動的な試合だった。かれこれ40年にも及ぶ私の全キャリアの中で。」とルンメニゲは試合後にコメントし、またへーネスも「今日の試合はすばらしい名勝負となった。脚本が用意されているのかと思うほどの、これ以上ない劇的な試合展開だった。」と話している。

ここではまず順番に試合を振り返っていこう。試合序盤には早い時間帯にクリスティアーノ・ロナウドに2ゴールを許し(6分/PK、14分)、最悪の出だしとなったFCB。「最初の15分間は明らかにレアルに分があった。」とハインケスも分析している。この時間帯のFCBは守備のペースが乱れ、怒号の攻撃を仕掛けるホームのレアルに自由にプレーさせてしまう。

だが、ハンガリー人の主審カッサイにハンドによるPK(ダビド・アラバ:「僕が滑って倒れたところに、ディ・マリアが僕の手に向けてボールを蹴ったんだ。」)を取られても、ロナウドが2点目を決めてもFCBはショックを受けることなく、徐々に自分たちのペースを取り戻していく。「時間とともに素晴らしいプレーができるようになり、それを長い間維持することができた。」とハインケス。

この展開は2009/10シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝、アウェーのマンチェスター・ユナイテッド戦を彷彿とさせるものだった。当時のFCBは試合開始後7分にはすでに2点のリードを許し、さらに3点目も許したものの、最終的には2得点返して決勝進出を果たしている。これについて主将のフィリップ・ラームは「似たような状況を経験していたことが幸いしたと思う。おかげで自分たちの力を信じることができたよ。」と語っている。

その後、アリエン・ロッベンがPKを決め(27分)、決勝進出への望みが再び復活。「あのような状況でPKを引き受けるのは非常に勇気がいることだ。本当に勇気がいる。敬意を払わなくてはいけない。」と、へーネスはロッベンの勇気を褒め称えている。その後は両チーム共に追加点を決めることができず、試合は延長戦の後にPK戦へとなだれ込んだ。

いよいよPK戦。FCBの選手たちは輪になってお互いを鼓舞しあい、レアルの選手たちはモウリーニョと共に芝の上に座って作戦会議。だが、結果としてはFCBに軍配が上がった(レアルでPKを決めたのはジャビ・アロンゾのみ)。スポーツディレクターのクリスティアン・ネルリンガーは、「ファン全員、そして関係者全員が誇りに思えるような精神力を発揮してくれた。」と興奮気味に話している。