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真実の50分間トーク

ザマー、これまでの2週間を振り返る

トレンティーノのFCバイエルンの練習場のすぐ後ろにはアルコ宮殿が威風堂々と聳え立つ。威容を誇る断崖絶壁と山稜が、イトスギにあやどられた、見渡す限りのワイン畑が広がるこの谷を取り囲んでいる。まるで絵に描いたような風景だが、マティアス・ザマーはそれらに目をくれようともしない。FCバイエルンのスポーツ部門担当役員の視線は、練習の都度、アルコ・スタジアムの芝上の出来事に釘付けだ。彼は選手達のどんな小さな動作も注意深く分析しては、ときにはユップ・ハインケス総監督と、ときにはアシスタントコーチやフィジカルコーチと、二人だけで内密の話をしている。

17日(火)、FCバイエルンに就任してから2週間が経った。44歳のザマーは報道陣を前に、これまでの分析結果や、ドイツのレコルトマイスターでの仕事にまつわるアイディアや目標等について語った。本サイトfcbayern.deでは、50分間の記者会見での最重要発言をまとめて紹介する。

インタビュー:マティアス・ザマー

FCバイエルンでのこれまでの2週間について:

「最初の10日間くらいは目が回りそうだった。上下左右の区別すらつかなくなるほどに。だがそれも徐々に日常化してきた。今は体調も気分も良い。バイエルン・ミュンヘンはビッグクラブだ ― 見ればわかるし肌でも感じ取れる。上手く立ち回っている組織に新しく加わる場合は、何よりも多少の謙虚さが必要だ。私はいつだってクラブが個々人よりも大事だと考えている。私がクラブに仕えているのであって、その逆ではないことは百も承知だ。機能しているクラブに溶け込んで、順応できるかどうか、また、時には新しいアイディアを出していけるかどうかは、ひとえに私自身にかかっている。私の仕事は、いつも準優勝に甘んじることがないように、非常に強固な土台の上に立ち、足りない2、3パーセントの力を引き出すことだ。再び1位の座に返り咲くつもりだ」

これまでの分析結果について:
「頭の中に幾つかのイメージはあるが、それについて語るのはまだ早すぎる。これからも観察と分析を続ける必要がある。すでに幾度か話し合いの場をもった。第一印象ならあるが、チームの大半はまだ合流すらしていないのが現状。サッカーとは実に複雑なゲームで、フィールド内外の様々な出来事に左右される。些細なことでも改善することによって、足りない物を補う重要なピースとなることもある。良いチームから素晴しいチームへ、その差はさほどかけ離れてはいないが、ディテールが重要になってくる」

モットーの《ミア・ザン・ミア》について:
「好きだね、気に入った。真の強さとは、自信の考え方と自身の身の処し方にあるというのが、私のかねてからの持論だ。我々に求められるのは自信のアイデンティティーであり、自信のパワーだ。他に目をくれる必要はない。自身のパワーとは、しっかりとした芯を持つこと。幸福感に包まれても、それに流されることなく、幻想の世界に捕われないこと、そして苦しい時には己の道を踏み外さないことだ。アイデンティティーとは、すなわち己の質を偽りなく表現できること、そして改善できるところは改善しようと努力することだ」

移籍について:
「持てる力を最適利用しているかを見てみる必要がある。まずは現在我々が手にしている質を信じ、少しでも力を引き出せるのはどこなのかを考えるべきだ。昨年を振り返ると、(このチームが)そんなに悪くないことは一目瞭然だ。この我々の信頼感を選手達に気付かせなければならない」

ユップ・ハインケスとの関係について:
「監督とは非常にうまくコミュニケーションがとれている。ユップ・ハインケス監督が私をこのように受け入れてくれて、ホッとしている。我々の関係はすばらしい、ずば抜けている。彼の人柄に触れ、すぐに好感を持てた。彼とサッカーについて語り合うのは非常に楽しい。素晴らしい基盤ができている。チームにとり一番大切なのは監督。私はいつだって彼の味方である、と彼には伝えてある。スポーツディレクターは、言うまでもなく監督の日々の仕事に口を挟んだりはしない。あくまで相談相手、スターティングイレブンを決めることはない」

クラブ幹部との関係について:
「うまくコミュニケーションがとれている。カール=ハインツ・ルンメニゲは、分野によっては私よりも遥かに豊富な経験を重ねている。そういう時には、自分の優秀さを証明しようと奔走したりせず、アドバイスをもらいに行く。彼のような相談相手がいてホッとしている。我々、スポーツ部門担当役員、監督、カール=ハインツ・ルンメニゲ、カール・ホプフナー、そしてウリ・ヘーネスが一丸になる必要があることを確認しなければならない。試練は必ずやって来る。その時にも同じく一丸となってことにあたらなくてはならない」