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「騒ぎ立てるのもいかがなものか」

身震いして衝撃をふるい落とし、前を向け

後半36分、ミュンヘンのアリアンツ・アレーナにFCバイエルンサポーターの歌声が響いた。
「我々はこのチームを誇りに思う、ハレルヤ!」
ドイツのレコルトマイスターは、この時点には、レアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグで3-0とリードされ、リスボンで行われる決勝進出への夢はとうに打ち砕かれていた。FCBは、その後さらに追加点を奪われ、レアル戦はホームゲームではクラブ史上最悪の結果となり幕を閉じた。だがサポーターは、最後までチームに熱い声援を送り続けていた。

「観客に礼を言わねばならない。一生懸命声をはりあげ、最高のサポートをしてくれた」と代表取締役のカール=ハインツ・ルンメニゲは、チケット完売のアリアンツ・アレーナに押し寄せた68,000人のサポーターを誉め称えた。彼らは、キックオフ前に素晴らしいコレオグラフィーで観客席を彩っただけでなく、試合中も常にチームを全力で後押ししていた。
「(応援を)結果につなげることができず、残念だ」とルンメニゲは続け、「相手を脅かすには、幾らか情熱が足りなかった」と分析した。

支配できず

スペインのレコルトチャンピオンとの一戦を前に、アリエン・ロッベンは「攻撃的な我々のサッカーを貫き通しゴールを奪う」ことを目標に掲げていた。そうなれば、0-1で敗れた初戦の結果をひっくり返し、ここ5大会で4度目となる決勝進出も夢ではなかったはずだ。だが現実は、それとはあまりにもかけ離れたものとなった。
「希望に満ちあふれていた。ムードも最高だったし、サポーターが力をくれた。最初の1分から攻めに出たが、すぐに2点も奪われ、全てが終わってしまった」と試合後に語ったロッベンの表情は、失望感に満ち溢れていた。

先週のファーストレグと比べても、ディフェンディングチャンピオンのバイエルンは、ホームにもかかわらず、相手を普段のように支配できずにいた。バイエルンのペップ・グアルディオラ監督(43歳)は「負けた理由は、ボールを支配できなかった点にある」と分析し「レアルのずば抜けた選手を相手に試合を支配できなければ、勝ち目はない」と総括した。スペイン人の指揮官は、責任は自分にあるとさらにこう続けた。
「今日はほとんどチャンスを作れなかった。良いプレーができなかった。誤算だった、私の責任だ」

「ものすごい失望感」

ミュンヘンが抱いていた、史上初となるチャンピオンズリーグ連覇の夢は、キックオフ後わずか20分間で、センターバックのセルジオ・ラモスにより打ち砕かれた。セットプレーから2度もヘディングでゴールネットを揺らされてしまった。
「一体全体何が起きているのか理解できず、棒立ちになってしまった」とトーマス・ミュラーは、レアルの先制パンチ後の心境を明かした。レアルは、その後世界最優秀選手のクリスティアーノ・ロナウドの2ゴール(前半34分、後半44分)で点差を広げ、ミュンヘンでの対戦10試合目にしてようやく初勝利を飾った。
「ホームで0-4はキツい。ものすごい失望感だ」とロッベンは振り返った。

「限界を思い知らされた面もある」とルンメニゲは、スペインの強豪が一枚上手だったことを認めている。
「彼らは我々の攻撃を封じ込め、足の速い選手たちを中心に我々の守備を翻弄した。現在のレアル・マドリードは、素晴らしいチームだ」
スポーツディレクターのマティアス・ザマーも試合後にこう語った。
「(レアルは)2試合を合わせてみても、勝ち進むに値するプレーを見せていた。こういうときには相手を素直に祝福し、完敗を認める度量を見せなくてはならない。負けるのは嫌いだが、ときには相手の方が強かったことを認めることも必要だ」

次の目標はポカール制覇

チャンピオンズリーグでは、38試合連続で戦い続けてきたFCバイエルンも、5月24日の決勝戦は、久しぶりに観戦側にまわることになる。
「最近5年間では、4回準決勝に勝ち進み、そのうち3度は決勝戦に進出した。(ファンには)申し訳ないけど、今でもこのチームを誇りに思う」とロッベンは、2010年以来4年連続で4強入りを果たしていることを記憶に呼び起こした。トーマス・ミュラーも「騒ぎ立てるのもいかがなものか。ここ1年半、常に成功を収め続けてきた。今日は完敗だったけど、これから3週間、穴倉に閉じこもる気はない。チャンピオンズリーグの準決勝だった、ということを忘れないでほしい」と述べた。

ミュラーが言うように、準決勝で敗退したチームはすでに前を向いている。というのも「傷をなめ合う」(ルンメニゲ)時間はないからだ。ザマーが言うように「身震いして惨敗の衝撃をふるい落として前を向き」、ブンデスリーガのハンブルガーSVとVfBシュトゥットガルトとの残り2試合を制し、5月17日に行われるボルシア・ドルトムントとのDFBポカール(ドイツカップ)決勝戦に向けて準備を整えなくてはならない。
「この良いシーズンを素晴らしい形で終えるためにも、このタイトルはぜひとも手に入れたい」