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「僕はびっくり箱」

ミュラー、嗅覚を活かしてゴール連発

リオネル・メッシ4ゴール、ネイマール4ゴール、トーマス・ミュラー4ゴール。2010年のワールドカップ南アフリカ大会で得点王に輝いたトーマス・ミュラーは、ブラジルでもスーパースターと肩を並べて得点ランキングをリードしている。
「彼は、年間365日を通して常に試合モードに入っている。だからこそ最高のパフォーマンスを発揮することができる。今試合モードにある彼は、この先もそれを忘れることはないだろう」とドイツ代表の守備をまとめるペア・メルテスアッカーは、ミュラーについて語っている。

ワールドカップ9戦目にして9ゴール目を決めたミュラーは、歴代得点王ランキングで、ルディー・フェラーやディエゴ・マラドーナを追い抜いた。彼がブラジルで見せている調子をこの先も持続させることができれば、ミロスラフ・クローゼとロナウド(15ゴール)の記録に追いつくのもそう遠い先の話ではなさそうだ。

2度目の「マン・オブ・ザ・マッチ」

ポルトガル戦でハットトリックを達成したミュラーは、アメリカ戦では狙い澄ましたカーブシュートをゴールネットに突き刺し決勝点を決めた。今回のブラジル大会では、初戦に続き2度目のMOMを獲得した24歳のミュラーは、レシフェでのアメリカ戦後にこう語った。
「絶好調だ。このチームでプレーするのは非常に楽しい」
さらに彼は自信満々にこう続けた。
「自分の実力を信じて、運も味方につけることができているだけに、とても気持ちがいい」

ミュラーには、メッシやネイマールのようなテクニックはない。だが、彼にはミュラーにしかない独特のセンスがある。
「世界中のどの国だってトーマス・ミュラーを欲しがるだろう」と、アメリカ代表のユルゲン・クリンスマン監督はミュラーを賞賛した。実は2008年8月にミュラーがブンデスリーガデビューを飾ったときの監督が、このクリンスマンである。恩人を前にしてミュラーは、ゴールを連発する成長した姿を見せることに成功したわけだ。

周囲も絶賛

「トーマス・ミュラーは、体力面でもメンタル面でも信じられないほど絶好調だ」とドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督は語った。その上彼は「予測不能な動きをするため、相手にとってはとらえづらい選手。ものすごくクレバーな動きだしで、ペナルティーエリア内に突然現れる」とレーヴはいう。さらに彼は、ディンフェンダーの一瞬の隙をついてゴールを決める能力にも長けている。
「トーマスは、一度のチャンスで得点できる選手。彼に2度のチャンスは必要ない」とクリンスマンもバイエルンのスター選手の決定力を絶賛した。

だがミュラーの特徴は何もこの得点力だけではない。彼はチームのためにフリーランを繰り返してはスペースを生み出し、必死に戻って守備にも貢献する。レーヴ監督によれば「彼はチーム内で最も長い距離を走る選手。とてつもなく良く走る」そうだ。レーヴはそんなミュラーのプレースタイルを「変則的」であると一言で言い表した。一方ミュラー自身は「その言葉はちょっと違うね。僕はびっくり箱だ」と過去に説明したことがあった。
「攻撃とは一瞬のサプライズにより成り立つもの。だから僕はなるべく相手を驚かせるように心がけている」という。

目標はワールドカップ優勝

バイエルン州出身のミュラーは、チームのムードメーカーでもある。常に面白い発言やインタビューで周りを笑わせてくれる。試合後にバスティアン・シュヴァインシュタイガーのプレーもMOMにふさわしかったのでは、と問われた彼は「そうかな? MOMともなれば、ゴールくらいは決めないと」と答えたたくらいだ。

このようにジョークを連発する彼にも、とても負けず嫌いな一面があり、ドイツ代表ではすでにリーダー的存在に育ちつつある。2019年までバイエルンとの契約が残っている彼は「我々には、なんとしてでも達成したい、とてつもなく大きな目標がある」と明かした。それは、南アフリカ大会に続いて再びゴールデンブーツ賞を獲得することではないという。
「もう一つゴールデンブーツをもらってもしょうがない。目標は得点王ではなく、ワールドカップ優勝だ」