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モスクワから帰還

「とても刺激的だったとは言えないが、結果は出した」

FCバイエルンを乗せたルフトハンザ専用機がミュンヘンに着陸したのは、もうすっかり深夜(1時17分)になってからだった。通常この時間帯の夜間飛行は禁止されているため、専用機の許可が下りたことは運が良かったと言えるだろう。そして着陸後、FCBはスーツケースを転がしながらチームバスへと乗り込んだ。眠気や疲労が襲ってきてはいたが、それでもモスクワでの無観客試合で結果を出すことができたことに喜びを感じてたバイエルン一同だった。

カール=ハインツ・ルンメニゲは、CLグループ予選で2戦2勝、勝ち点6というパーフェクトな結果について「良い調子で勝ち進んでいる。決勝トーナメント進出への希望も大きい」とコメント。CSKA戦の後(20時45分)に対戦していたマンチェスターCとASローマが1-1で引き分けたため、バイエルンは現在2位に勝ち点差5をつけて単独首位に立っている。主将フィリップ・ラームは現状について「とりあえず僕たちにプレッシャーはない。プレッシャーを感じているのは対戦相手だ。満足している」と述べた。

「決して大会のハイライトにはならない」

バイエルンにとって初めての経験となる完全無観客の中行われたモスクワのヒムキ・アレーナでのこの一戦は、ある意味歴史に残るものとなったが、同時に、決して人々の記憶に永遠に刻まれることもないだろう。22分にファールを通して獲得したPKを決めたトーマス・ミュラーは、スタジアムの雰囲気について「僕たち選手にとってはとても刺激的だったとは言えない」と本音を明かしている。

代表取締役社長ルンメニゲも「このような無観客試合は必要ない。決してプレーが悪かったわけではないのに、試合を退屈と感じてしまう。決して大会のハイライトにはならないだろう」と批判。ラームもこの観客不在の雰囲気を「とても、とても異様だ」と表現し、「観客がスタジアムにいてチームを応援した方が、単純により楽しい」と率直な感想を述べた。

隣接する高層ビルに駆けつけた70人のファン

この日モスクワは、5バックという守備的布陣で試合に臨み、中央のスペースを極端に狭くしてきた。ミュラーはその内容について「あれは決して楽ではなかった」と述べた後、「でも勝たなければいけない試合だ。そして、戦って勝ち取った勝利」と振り返った。CSKAモスクワがホームであれだけ引いて守ってきたことには、ペップ・グアルディオラも驚きを隠せない様子で「少しびっくりした。ほとんどの選手がボールより後ろにいたため、とても難しかった。サイドや中央など、あらゆるところから攻めて、やれることは全てやった」とコメント。

しかし、守るだけではなかったロシア王者は、何度か危険なカウンターを仕掛けてバイエルンゴールを脅かし、1失点していたとしても決して不思議ではない内容だった。従って、最終的に勝ち点3を獲得できたことは、バイエルンに大きな安堵をもたらした。そして驚くべきことは、おおよそ70人ものファンがクラブ史上CL通算100勝利目となったこの試合をLIVEでフォローするため、現地に駆けつけていたということ。その方法がまさに驚きで、スタジアムの隣にある15階建ての高層ビルから観戦していたと言う。試合終了後、これを耳にした選手たちは皆感激していた。

これについて主将ラームは「卓越している。僕たちのファンがどれだけ素晴らしいかわかるね」と称賛。今季バイエルンで最多得点を挙げているマリオ・ゲッツェも「スーパーな行動だ。僕たちのファンも信じられないほど深い情熱を持っている」とコメント。一方ミュラーは、「スタジアムの屋根にメガフォンを設置して、Wifiで声援を飛ばすことは残念ながら出来なかったみたいだね」と冗談を飛ばして笑い誘っていた。