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得点者であり、配達人だったラーム

「エリア内で彼に左足でシュートを打たせてはいけないよ!」

 ペップ・グアルディオアに渡された紙切れに一体何と書かれていたのか。そう聞かれるたび、主将フィリップ・ラームは「『フィリップ、ゴールを決めろ!』と書いてあった。きっちり遂行したよ」とジョークを返して笑った。そうして別の質問者からまた同じことを聞かれても、バリエーションを加えて上機嫌で答えていった。

 勇敢に戦ったFCインゴルシュタットに前半は苦しめられ、しかし最終的に2-0で勝利したとなれば、ラームの機嫌が良いのも当然だ。同選手は、「随分久しぶりに、活気に欠けたプレーになってしまった。僕たちには何かが少し足りなかった。そうしたら前半はあのような内容になってしまった」とバイエルンのパフォーマンスを思い返し、反省を口にした。

 しかし、試合開始から1時間が経つと状況は一変した。ペップ・グアルディオラは戦略上の対抗策をメモしてラームに渡し、その指示の下でチームは新しい作戦に対応した。その結果、ラーム自身も右サイドの守備的MFにポジションを変更し、繰り返しバイエルンのゲームを勢い付かせると攻撃にも絡んだ活躍を見せた。

457試合で14ゴール

 75分に起こったことは、ラーム自身もこれまでに経験したことのないものだった。トーマス・ミュラーが最後の最後で送ったパスを受けた瞬間、バイエルンの主将に残された手は一つしかなかった。左足でのシュートだ。そしてそれを見事に決めてみせた。W杯チャンピオンにも輝いた32歳の同選手が左足で得点したのは、ブンデスリーガではこれが初めてだ。またラームがゴールを挙げたのは2014年10月(6-0で勝利したブレーメン戦で、同選手は2得点挙げている)以来のことで、FCバイエルンで出場した457試合目にして14ゴール目となった。

 このラームのゴールを特に喜んだのはアシストしたミュラーで、「色々な要素が合わさったから、彼のゴールが決まったんだ」と笑うと、「彼には水曜日も惜しい場面があったし、このゴールの前にも良いチャンスがあった」と続けた。そしてそのチャンスの直後、今度こそボールは対戦相手のゴールネットを揺らした。その際ラームが軸足である左足でシュートを決めたことに、ミュラーは全く驚いてはいないようだ。このゴールについて同選手は、「エリア内で彼に左足でシュートを打たせてはいけないよ!」と冗談交じりにコメントした。