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「貴重な勝利」

「ここで決まるかもしれないと思っていた」

 彼があれをどうやったのか、誰にも明確な答えは分からない。ただし確実に言えることは、「あんなパスを出せるのは、チアゴだけ」(フィリップ・ラーム)だということだ。88分のあの「最高レベルの技術が要求される」パスが、バイエルンを勝利街道へと導いた。チアゴは、ハンブルガーSVのパスミスを、アウトサイドを使い、ダイレクトでリベリーの前のスペースへ送った。するとそのままエリア内左に侵入したリベリーが、ドリブルで相手をかわし、ファーサイドへグラウンダーのクロスを入れる。そこへ走りこんだヨスア・キミッヒがネットを揺らした。

 バイエルンの監督としてクラブ史の新記録となる公式戦8試合8勝を達成したカルロ・アンチェロッティ監督は、「予想通り厳しい試合となったし、貴重な勝利だ」と安堵の吐息をついた。そして、「ハンブルクは多くのエネルギーを注いできた。非常に集中したプレーをしていた」と相手を評価。51分に負傷交代を余儀なくされたマッツ・フンメルスは、「非常に厳しい戦いだった。だが、チアゴとフランク・リベリーの一瞬のプレーで試合が決まった」と総括した。

アンチェロッティの選手交代で活性化

 バイエルンは、とりわけ前半に苦戦を強いられた。アンチェロッティは、「前半はハンブルガーの方が良かった」と試合を振り返り、ラームは、「こちらはパス回しが良くなかった。全員、少しボールを持ちすぎだった」と分析。したがって同指揮官は、61分にリベリーを投入して、攻撃の活性化を図った。

 最終的に、接戦ではあったのものの、順当な勝利を収めたバイエルン。シュート本数は17:7、センタリング本数20:8、ボール支配率69%と、全ての統計データにおいてバイエルンが上をいった。試合は、相手の守護神レネ・アドラーが幾度となく立ちはだかり(57、71、77、79分)、ずっとスコアレスの状態が続く。しかし、最後にこの日一番の輝きを見せていたキミッヒ(シュート5本、パス86回、タッチ数103回)がバイエルンを勝利へ導いた。

水曜日はマドリード

 キミッヒは決勝ゴールについて「ゴール前まで駆け上がっているとき、これで決まるかもしれないと思っていた。実は、フランクがマイナスにパスを出すと予想していた。だが、実際はファーサイドに来た。でも、それが何とか入って良かったよ」と振り返った。この勝利によりバイエルンは、水曜日のアトレティコ・マドリードとの一戦をいい形で迎えることができる。ラームはこの強豪との対戦について、「簡単な試合ではない。それは分かっていること」と覚悟を決めた。