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「フィリップの不在を寂しく思うだろう」

別れ、デュエット、そして多くの感傷 - FCバイエルンのマイスター祝勝会

 20日(土)の夜、ミュンヘン市内にあるポストパラストはFCバイエルンのマイスター祝勝会へ向けて華やかに飾り立てられていた。テーブルの装飾は細部まで行き届き、グラスは完璧に磨き上げられていた。ホールの中央に設えられた円形の舞台には、天井から水が滝となって流れ落ち、今季を象徴する場面の数々がそこに映し出された。代表取締役社長のカール=ハインツ・ルンメニゲが演説で言及したように、それはまさに「絢爛豪華な宴」だった。

 ルンメニゲは「我々は今日確かに素晴らしい一日を過ごした」と続けた。シーズン最終戦でSCフライブルク相手に4-1の圧勝を収め、マリエン広場へ向かい市庁舎のバルコニーで15,000人のファンと共に優勝を祝う前に、マイスターシャーレの贈与、続いて伝統であるシャンパンファイトならぬ白ビールファイトが、完売のアリアンツ・アレーナで行われた。当然そこではルンメニゲが公的に別れを告げた主将フィリップ・ラーム、シャビ・アロンソ、トム・シュタルケの現役引退という、非常に感傷的な場面も見られた。

楽園への前駆体

 ルンメニゲが「心からの感謝を述べたい」と口にし、シュタルケ(「素晴らしいゴールキーパーであり、気楽でリラックスした人物」)、アロンソ(「サッカー界のジェントルマン。フィールドのメトロノーム。ボールを持てば、カラヤンのように試合を指揮する」)、そしてラーム(「類稀なことを成し遂げた人物。素晴らしいキャプテンであり、素晴らしい選手。私は彼の不在を悲しむことだろう」)、それぞれについて言及すると、続いて数分に渡るスタンディングオベーションが3選手に贈られた。

 500人に及ぶ招待客の中にはバイエルン州首相のホルスト・ゼーホーファーの姿も見られた。ゼーホーファーは自身の演説において「バイエルン自由州は楽園の前駆体だと私は頻繁に口にしてきた。その理由は数多くあるが、根本的な理由の一つはFCバイエルン・ミュンヘンだ」と語った。彼はFCBを「世界的なブランドの一つであり、そのため自由州の外交官の一人でもある」と形容し、別離を間近に控えた主将フィリップ・ラームを「ドイツサッカー界が生み出した偉大な人物の一人」と賞賛した。

チャンピオンズリーグ並みの音楽プログラム

 ゼーホーファーの他にも、FCバイエルンの取締役会 、幹部会、諮問機関の会員が一堂に会した。またドイツサッカーリーグ機構DFLのDr.ラインハルト・ラウバル会長とクリスティアン・ザイファート代表取締役に加え、バイエルンのレジェントであるルカ・トニ、ジオバネ・エルベウ、クラウス・アウゲンターラー、その他にも前スポーツディレクターのマティアス・ザマー、新しいドイツマイスターのスポンサーや協賛企業が列席した。彼ら全員が情緒豊か、感傷的でありながら調和に溢れた一夜を共に過ごすこととなった。

 トマトスープ、牛フィレ肉、ゴイボーデン産のアスパラガスを供したコース料理に招待客が舌鼓を打つ合間には、チャンピオンズリーグ並みにハイレベルな音楽プログラムが行われた。ミュンヘンのスターテノール歌手ヨナス・カウフマンがこの為にロンドンから訪れ、リヒャルト・タウバーのオペレッタ「歌う夢」から「君は我が世界」のFCバイエルンヴァーションを歌い上げた。鳥肌が立つほどの感動に、カウフマンはスタンディングオベーションで喝采を受けた。

アンチェロッティとアナスタシアによるデュエット

 ラテンのポップスター、アルバロ・ソラルがダンス、そしてパーティーへの熱狂を巻き起こしたのは、直ぐさま舞台へと押し寄せたスペイン、南米出身選手であるハヴィ・マルティネスやラフィーニャだけでなかった。また既にSCフライブルクとのシーズン最終戦で行われたハーフタイムショーで、アリアンツ・アレーナを沸かせたUSロックシンガーのアナスタシアが自身のヒット曲の数々でパーティーを盛り上げた。最高潮を迎えたのは、既に市庁舎のバルコニーで歌唱力を披露したバイエルン監督、カルロ・アンチェロッティとのデュエットだった。

 欧州のトップリーグ全てでタイトルを獲得したアンチェロッティは、「このクラブに多大な感謝を。私はファンタスティックな選手を揃えた、素晴らしいクラブを見つけることができた」、「全員が素晴らしい、非常にプロフェッショナルな仕事をした。ここに居ることに満足している。私は家族を見つけた。このように仕事をし続ければ、我々はこの家族と共に更なるタイトルを獲得できるだろう」とシーズンを総括した。

ラーム「いつかまた会おう」

 だがそこに彼のキャプテン、フィリップ・ラームの姿はもうないのだ。FCバイエルンでの最後となるこの日、ラームは最後にもう一度過去を振り返った。「今日だけでなく、キャリアを通して沢山のことを貰った。ファンからだけでなく、仲間達から、監督達から、そして共にプレーすることを許された多くのレジェント達から。マイスターになるなんて思いもよらなかった、全てが夢のようだったよ。そしてこの夢は、僕が望んでいた全てのものよりも、ずっと素敵なものだった。『Amoi seg' ma uns wieder(いつかまた会える)』という歌がある。経験することを許された、全ての感情を消化する為にも今は少し距離を置く必要がある。その後何が来るのか ー それは僕にもわからない」。

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