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ジェントルマンとの別れ

「大いなる喜びだった!」グラシアス、シャビ!

 バスク人からバイエルン人へと変容を遂げるまでに、シャビ・アロンソが費やしたのは3日だけだった。金曜日にホテルでチームメイトと初めて顔を合わせ、土曜日にはシャルケ戦でFCバイエルンの中盤を担う新しい司令塔として頭角を現し、日曜日には初めてバイエルン州の民族衣装、レダーホーゼンに足を通した。彼は「何もかもがあっという間だったね」とマドリードで築き上げた1時代に幕を引き、バイエルンで新しい幕開けを祝うことになった2014年8月の彼の日を振り返った。そして3年後の今、彼は再び新しい幕開けを目前に控えている。フィリップ・ラーム同様、20日(土)に彼は現役を引退する。

 カール=ハインツ・ルンメニゲ会長は「近年行った中で最も素晴らしいトランスファーの一つであり、我々にとり正に僥倖と言えた。才気に満ちた戦略家で、知性に溢れ、私が経験した中でも気難しいところなど一切ない選手だ」と35歳となった同選手に対しての賞賛を惜しまず、「彼のようなジェントルマンを我々の元に迎入れることができたのは、大いなる喜びだ」と続けた。

シャビ・アロンソ
「ここで過ごした時間を、誇りに思う」

 1981年11月25日、バスク州トロサに生を受けたシャビ・アロンソ・オラーノを知る者は、何故バスク人が勤勉で信頼に値し国際的に開かれた性格だと言われるか、その所以を理解しただろう。アロンソは「初日からバイエルンをとても居心地良く感じた。ここで過ごした時間を誇りに思うよ」と語り、「レアルマドリードと共にチャンピオンズリーグで優勝した時、僕のここでの仕事は終わった、と感じたんだ」と移籍の理由を説明する。FCバイエルンからの打診は正しい瞬間に来たと言えるだろう。「ビッククラブ、新しい国を経験するのも悪くない」と彼は考え、次のクラブを瞬く間に席捲してみせた。

 在籍した全てのクラブにおいて、アロンソは数多くのタイトルを手にしただけでなく、人々の心を魅了した。近頃アロンソとインタビューを行うためにミュンヘンを訪れたFCリバプールの職員は、「シャビは今も変わらずリバプールファンにとっての英雄だ。誰もが彼を敬っている」と述べた。また数週間前、エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウで行われたチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグの試合でアロンソが交代退場した際には、80,000人に及ぶマドリディスタがスタンディングオベーションで彼を称えている。「あの瞬間を僕は一生忘れることはないだろう」と彼は口にした。それは彼の119回目、最後となるチャンピオンズリーグでの試合となった。

リズムを指揮するドラムス

 ワールドカップ世界王者、2回に渡るヨーロッパ選手権とチャンピオンズリーグ優勝、スペインリーグ王者、数え切れないカップ戦優勝の栄光に浴し、キャリアの終わりを3年連続のドイツリーグで飾る…。代表114キャップを誇るアロンソは、サン・セバスチャン、エイバル、リバプール、レアルマドリード、FCバイエルン、そしてスペイン代表と共に合計18に及ぶタイトルを獲得した。彼のパスワークは常にチームのサッカーを特徴付けた。

 「僕はいつもチームプレーヤーだった。周りの選手達がプレーしやすいよう、また彼らが自分のポジションで効果的にプレーできるための解決策を与えるのが、僕の仕事だと思っている。僕はスペクタクルではなく、戦略を担う選手だ」と自身のプレースタイルを、ロック音楽を愛するアロンソは表現した。彼自身が言う様に、ロックバンドでプレーするならば彼は「ドラムス」であり、「裏方に回ってリズムを指揮するんだ。スポットライトは別の人に任せる」のだろう。

ボールを引き寄せるパサー

 FCバイエルンでプレーを始めて以来、アロンソはブンデスリーガ全体を通し最も多くのボールタッチ数を記録している(7,890回)。ブンデスリーガデビューを飾った4週間後には、アウェイで行われた1.FCケルン戦で既に216回のボールタッチを記録しリーグ新記録を打ち立てた。アロンソはFCバイエルンのユニフォームを纏い6,971本のパスを供給、内90%を成功させている。今季は1試合平均11,14kmの走行距離を誇り、FCバイエルンでこれを越えるのはヨスア・キミッヒ(11,80 km)とトーマス・ミュラー (11,15 km)のみである。

 20日(土)、アロンソは合計518試合目となるリーグ戦、FCバイエルン公式戦としては117試合目をピッチの上で戦う。3児の父であるバスク人選手は、その後何をするべきかまだ心を決めていない。先ずはゆっくりするつもりだ、と述べるのみだ。ミュンヘン、そして世界中のサッカー界が彼を、彼のパスを、彼のカリスマを、彼のハートを惜しみ、懐かしく思うことだろう。グラシアス、シャビ!

シャビ・アロンソのキャリアを戦績で振り返る:

ワールドカップ優勝 1回(2010年)

DFBポカール優勝 1回(2016年)

スペインリーグ優勝 1回(2012年)

スペインスーパーカップ優勝 1回(2012年)

イングランドカップ戦優勝 1回(2006年)

イングランドスーパーカップ優勝 1回(2006年)

DFLスーパーカップ優勝 1回(2016年)

スペイン年間最優秀選手 1回(2003年)

UEFA欧州選手権優勝 2回(2008年、2012年)

UEFAチャンピオンズリーグ優勝 2回(2005年、2014年)

UEFAスーパーカップ優勝 2回(2005年、2014年)

スペインカップ戦優勝 2回(2011年、2014年)

ドイツリーグ優勝 3回(2015年、2016年、2017年)

所属クラブ:レアル・ソシエダ(2000年-2004年)、 SDエイバル(2001年-2003年)、 FCリバプール(2004年-2009年)、レアルマドリード(2009年 -2014年)、 FCバイエルン・ミュンヘン(2014年-2017年)

バイエルン公式戦キャップ:116試合(9得点)

スペイン代表キャップ:114試合 (16得点)

スペイン、イングランド、ドイツリーグ通算公式戦キャップ:688試合(43得点)

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