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「これ以上良いシナリオは書けない」

FCバイエルン、絵に描いたような日にタイトル獲得

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  5月18日(土)の18時少し前、南スタンドの前に立ったフランク・リベリーは膝に手をついた。ファンに挨拶をしようとしたリベリーは込み上げる感情を抑えられず、涙を流しながらやっと震える声で「ありがとう」と口にした。これは、FCバイエルンがクラブ史に名を残す3人の偉大な選手に別れを告げアイントラハト・フランクフルトに5-1で勝利して29回目のリーグ優勝を果たした感情を揺さぶられるこの1日の中でも、最も感動的な瞬間の1つだった。

 ウリ・ヘーネスは「これ以上良いシナリオは書けない」と2018-19シーズンの第34節を総括した。まるで天候までもが完璧な試合を演出するかのように、この日のミュンヘンは太陽が輝き、暖かな1日となった。この日最初の感動的なシーンは試合開始前に行われたアリエン・ロッベンラフィーニャ、そしてリベリーの退団セレモニーだ。この3選手がバイエルンのユニフォームを身に着けて成し遂げた数々の偉業がファンの前で称えられた。スクリーンに映されたFCBでの思い出のシーンを見たロッベンは目に涙を湛え、「このような試合の後には本当に多くの感情が体中を巡るものだ、それは言葉では表せないよ」と述べた。

全身全力でタイトル獲得へ

 今季22ゴールを記録して再び得点王に輝いたロベルト・レヴァンドフスキが「僕たちにとって決勝だった。僕たちは今日勝つだけでなく、誰がドイツマイスターに相応しいか示す必要があった」と試合後にコメントしたように、バイエルンは試合開始直後から、誰の手にマイスターシャーレが渡るのが相応しいか見せつけた。そして4分、キングスレイ・コマンがチームに先制点をもたらした。

 追加点を挙げようと引き続き相手にプレッシャーをかけるバイエルンだったが、なかなか点差を広げることはできなかった。ヘーネスは試合を振り返り、「FCバイエルンがこんなに多くのチャンスを作っているのに、これほど高いレベルで競い合う試合は見たことがない。トラップは信じられないくらい良く守った」と、ビックセーブを連発したフランクフルトGKに敬意を表した。同選手の好パフォーマンスもあり、バイエルンはわずか1点のリードでハーフタイムに入った。そして後半が始まってすぐに、セバスティアン・アレに同点弾を許してしまった(50分)。

アラバの得点が皮切りに

 しかしこの失点でFCBが動揺することはなく、53分にダヴィド・アラバのゴールで再びリードを奪う。ヘーネスは「ダヴィドのゴールは最も重要な得点だった」と言い、トーマス・ミュラーはこの得点で「不運を脱した」と表現。ニコ・コヴァチも「2-1の後は、フランクフルトは厳しいシーズンを過ごしてきたから、我々がスペースを得られるとわかっていた。そして我々はそれを上手く活かすことができた」と分析した。そして58分、レナト・サンチェスがバイエルンに3点目をもたらした。これは同選手にとってブンデスリーガ初得点だったが、それだけでなく、特別な瞬間の幕開けとなった。

 それというのもこの得点の数分後の61分にリベリーが途中出場し、更に67分にはロッベンもピッチに立ったからだ。35歳のオランダ人選手は「まるで檻から出て走り始めたアフガン・ハウンドのようだったね。早くピッチに出て試合を楽しみたかった」と、出場の合図を受けた時の自身を描写した。“ロベリー”がアリンツ・アレーナの公式戦に一緒に出場したのはこれで100回目、そして最後となった。そして両選手がピッチに揃ってからわずか4分後、リベリーがアレーナを興奮の渦に叩き込んだ。

最後の試合でゴールとマイスターシャーレ

 リベリーは72分、見事なドリブルからループシュートを決めて4-1とし、ファンの大歓声を浴びた。ヘーネスは「このような日にあんな信じられないシュートを決めるとは。私も嬉しい、とても感動した」と語り、観客席で思わず涙をこぼしたことを打ち明けた。そしてカール=ハインツ・ルンメニゲも「フランクは国際的にもトップクラスのゴールを決めた。あれ以上のゴールはない」と感激を露わにした。しかしアリアンツ・アレーナでは、更なる感動が待ち受けていた。79分、ロッベンもゴールを決めて5-1にリードを広げたのだ。こうしてロッベンは自身で語ったように最後のホーム戦を「ハッピーエンド」にすることができた。

 そして試合終了後にはマイスターシャーレの授与が行われた。バイエルンは7連覇を達成したが、ホームのアリアンツ・アレーナで優勝を決めたのはこれが初めてだ。クラブを去る偉大な選手に対してこれ以上の餞はないだろう。ただ1つ残念な点はレオン・ゴレツカが負傷により早期交代を余儀なくされ、それによってラフィーニャに出場機会が訪れなかったことだ。しかし全体的には関係者全員にとって忘れられない素晴らしい日となった。この絵に描いたような1日について、リベリーは「家族全員がフランスから来てくれた。特別な瞬間だよ。難しかったが、今日最も大切なことは僕たちがマイスターになったことだ」と述べた。

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