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インタビュー(パート1):ザマー

「チャンピオンの条件」

冬休み! 数々の成功を収めた1年を終え、FCバイエルンの選手、監督、首脳陣は、疲れを癒すべくクリスマス休暇に入った。スポーツディレクターのマティアス・ザマーにとっては、一年を振り返るのにもってこいのタイミングだ。fcbayern.deの特別インタビュー(パート1)では、無敗で乗り越えたブンデスリーガの前季、ペップ・グアルディオラ監督、そして続出したケガ人について、ザマーは語る。

インタビュー(パート1):Matthias Sammer(マティアス・ザマー)

fcbayern.de:「ザマーさん、FCバイエルンにとってはこれ以上ない前季となりましたね。ワールドカップを終えた直後には想像できなかったのでは? この半年の快挙を支えていたのは?」
Sammer:「確かに難しい状況だった。ワールドカップを戦い、代表組は身体を休める時間があまりなかった。ケガも増えた。だがチームが前季で見せたパフォーマンスはずば抜けていた。その鍵は、パフォーマンスをうまくオーガナイズできた点にあるだろう」

fcbayern.de:「それはどういう意味ですか?」
Sammer:「まず重要な要素は、我々の監督がすでに2010年に、スペインのワールドカップ王者を数多く抱えていたバルセロナで、同じ状況を経験していたという点。彼は、練習の負荷に配慮し、独自のサッカースタイルをチームに植え付けたが、それが実を結んだ。あとは、チーム層が厚い点が功を奏した。この夏、ペップと何度も話し合ったことを、今でもよく覚えている。メンバーが増えれば増えるほど、選手の中には不満を覚える者も増える。だが、キーマンが負傷したときに、重要な試合で選択枠がなくなるよりははるかにましだ。監督との対談を繰り返すことで、前季を乗り越えるための厚いチーム層を整えることができた」

fcbayern.de:「ワールドカップを制したドイツ代表の選手をはじめ、選手たちには、一から厳しい練習に耐えるモチベーションが必要だった?」
Sammer:「選手のメンタリティー、成功を収めたいというハングリー精神は、絶対条件だ。我々の選手たちは、この点実にファンタスティックだ。ここ2年半は、彼らのこうした性格面がスポーツ面での実力とうまくマッチングし、特別なチームを生み出している。このチームは、機能し続ける限りハングリー精神を失うことはないだろう。というのも次々とタイトルを勝ち取ることで、タイトル中毒のような状態が生じているからね。選手たちは、タイトルを勝ち取ることが何よりも最高だという感覚を覚えてしまったのだ」

fcbayern.de:「ですが、大きなタイトルを取ることで満腹になる可能性もあるのでは?」
Sammer:「偉大な選手であれば、あり得ない。チャンピオンになった者は、種目を問わず、タイトルの一つや二つで満足することはないからね。彼らは常にタイトルへの貪欲さを持っている。それがチャンピオンの条件なのだ」

fcbayern.de:「昨季と比べ、今年のチームの成長をどのように見ていますか?」
Sammer:「チームが監督と共にさらに成長した姿を見て喜んでいる。選手たちも、いつだって成長できるということを自覚している。2012年の経験も活きているのだろう。あの時は負け犬だったが、今ではチャンピオンの座を勝ち取っている! だからチームには、変化を前向きに受け止め、ディテールを改善していく心構えが備わっている。このため対戦相手は常に、我々の方が一歩先んじていると感じるはずだ」

fcbayern.de:「だとすれば、後季の結末も、すでに決まっているのかもしれませんね」
Sammer:「謙虚であり続けることは重要だ。相手をリスペクトすることと。(様々な状況に)敏感に対応できる準備をして後季に入るつもりだ。重要な試合はこれからだ、特にチャンピオンズリーグではね。そのため細心の注意が必要だ。さらに忘れてはならないが、我々がここ数ヶ月で経験できたことはみな、底知れぬ努力のたまものだということだ」

fcbayern.de:「ブンデスリーガでの大量リードが、チャンピオンズリーグでは足を引っ張ることになるかもしれないという恐れはありますか?」
Sammer:「まずは、ドイツマイスターになることだ。それも早ければ早いほどよい。ただし、その結果に浮かれることなく、プロフェッショナルとして賢明にその後の対応にあたらなくてはならない。昨季は、それにより数パーセント(の力を)そがれ、リズムを失うことになったからね。一度失われたリズムは、そう簡単に取り戻すことはできない。昨季の経験を活かすしかない」

fcbayern.de:「あたなは、1年半前からペップ・グアルディオラ監督を一番近い場所で見てきました。ベンチで彼のとなりに座るのはどのような感じですか?」
Sammer:「ベンチではあまり顔を合わせることはない。彼はあまりベンチには座らないからね。むしろコーチングゾーンから飛び出さないように注意する必要があるくらいだ(笑)。いや、彼と共に仕事することができて、とても楽しいよ。彼は人物としてもFCバイエルンにぴったりだ。個人的には、互いに全幅の信頼をおけるといった関係だ。とても、とても短い距離で仕事ができる」

fcbayern.de:「ペップ・グアルディオラと共に仕事をした者は、誰もが彼を絶賛する。いったい彼のどんなところが特別なのでしょうか?」
Sammer:「彼は偉大な監督だ。彼はサッカーを愛し、彼の人生でもあるサッカーを、自分のアイディアで染めようとしている。彼は何よりもボールを欲している、そしてボールを所持できないときは、一刻も早くボールを奪取することを考えている。それが彼の哲学だ。ボールをポゼッションしているときには、選手一人一人の能力を最大限に引き出せるようなポジショニングを定め、ボールを失ったときにも完璧な組織を目指す。それが彼の情熱であるし、彼は朝から晩までそのことを考えている」

fcbayern.de:「彼がバルセロナから持ち込んできたアイディアは、FCバイエルンでどの程度変わったと思いますか?」
Sammer:「彼は、当然ながら選手の長所を彼のサッカーとうまくブレンドしようとしている。そのため、こうしたい、そのためにはこれこれこういう条件をクリアしなくてはならない、といった点を把握するために、多少の時間を要したようだが、今ではそれをうまくこなしている。彼は、ものすごいことを成し遂げた」

fcbayern.de:「今季チームは数多くのケガ人をかかえることになりました。負傷中の選手たちの現状について教えてください」
Sammer:「ホルガー・バドシュトゥーバーは、かなり回復している。1月初旬からチーム練習に合流できるのではないかと思う。ダヴィド・アラバは、もう数日かかりそうだが、冬期キャンプ中には復帰できるだろう。トム・シュタルケも同じような感じだ。フィリップ・ラームは、2月中旬から下旬にかけての復帰を念頭にいれたプログラムをこなしている。ハヴィ・マルティネスとティアゴについては、現時点で明言することは控えたい。彼らに関しては、いくら時間がかかってもかまわない。健康が第一だ」

fcbayern.de:「カタールキャンプには全員参加する予定ですか?」
Sammer:「ラームとティアゴは同行しない。ハヴィ・マルティネスについては、まだ最終的な結論が出ておらず、年明けに決める予定だ。それ以外の選手は全員参加する」

インタビューのパート2は、12月29日に掲載します。