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「正しい道を進んでいる」

マルティネス:流れる汗と辛抱強さ、そして12粒のぶどう

休むことなくペダルを漕ぎ続ける足、荒い息遣い、そして流れる汗。自身がスポーツ選手であると再び感じられるまで、ハヴィエル・マルティネスは長い間待たなければならなかった。クリスマスの少し前、FCバイエルンのトレーニングセンターには自転車エルゴメータを漕ぐ同選手の姿があった。彼の前にはテレビがあり、コメディーが流れている。マルティネスは笑い、fcbayern.deに「たくさんやることはある」と語った。「日に日に良くなっていく感じがするよ。どんどん多くのトレーニングをこなせるようになっているし、これは精神的にもいいことだ」と言う同選手。離脱していた4カ月は、左膝の十字靭帯断裂という身体的な問題だけでなく、精神的な苦痛も伴ったようだ。そのことについてマルティネスは「身体的な健康は、脚を治して取り戻さなければいけないもの。精神的な健康は、維持し続けなければいけないもの」と表現した。

8月13日ドルトムントで行われたDFLスーパーカップ。ボルシア・ドルトムントのペナルティーエリア内でサイドボレ―を放ったマルティネスは、「脚を目一杯伸ばした時にドルトムントの選手と接触して、膝が不自然に曲がってしまった。その直後に痛みを感じた」と苦難の始まりを正確に思い起こす。まだピッチにいた彼に医師が伝えたのは、十字靭帯断裂という危惧していた通りの診断だった。

1週間後コロラド州ヴェイルで手術を受けたマルティネスは、その後何週間にもわたって松葉杖生活を余儀なくされることとなった。同選手は「最も困難な時だった。歩けないし、何ひとつできやしない。友人やチームメイト、理学療法士が僕を元気づけよう、勇気づけようとしてくれて、とても助けられたよ。それでも落ち込むことはよくあったし、チームとのコンタクトを避けたりもした。本当に苦しい日々だった」と当時を振り返った。

エルゴメータに跨り汗を流す今、その苦難の日々は過去のものと言えるだろう。フィリップ・ラームは「調子は良さそうに見えるね。もちろん、早くチームに復帰して一緒にプレーしたいだろうけれど。でもそのために正しい道を進んでいる」と快方に向かうマルティネスの姿を喜ぶ。循環系統と上半身のトレーニング、そして特に負傷した脚の筋肉増強がクリスマス前にマルティネスに課されているトレーニングメニューだ。

スペイン代表でもある同Mfは「毎日、大変な努力をしているよ。でも辛抱強くなければね。一番難しいことだけれども」と言い、クリスマス休暇中もトレーニングに励む予定だ。とはいえ、彼にとっても休養は重要である。彼がまず向かうのは故郷のアイェグイだ。両親や3人の兄弟とクリスマスを祝うマルティネスは「14人か15人くらい集まるんだ。僕の母が料理を作るのだけど、料理上手だからとてもおいしい。伝統的には鶉のサラダとシーフードが食卓に並ぶよ」と家族との団欒を楽しみにしている。

その後はスペイン国内を旅行するという同選手、「どこかに行って、何日かすべて忘れて過ごそうと思う。サッカーや膝のこと、すべてね。ただリラックスして楽しみたい」と旅の目的を語った。そんなマルティネスだが、大晦日は例年よりも意識してスペインの慣習に倣うことになりそうだ。彼によると「真夜中に鳴る12の鐘の音に合わせて12粒のぶどうを食べる」と幸運に恵まれるという。1日も早くピッチに戻るために、きっと必要となるだろう。