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乗りに乗ったレヴァンドフスキ

奇跡の晩、9分間に5ゴール

人が9分以内にできることと言えば、例えばスパゲッティをアルデンテで茹で上げることやピザを焼くこと。もしくは、7分間かけて注いだ生ビール(ドイツでは、ビールは時間をかけて注ぐ)を2分間で飲む、といったところか。はたまた中央駅からオクトーバーフェスト会場までの徒歩の時間も9分程度だ。帰り道はアルコールも回り、倍ほどの時間を要するだろうが・・・。

バイエルンのFWロベルト・レヴァンドフスキも、9分間を有効活用すれば何ができるかをピッチで再現してみせた。火曜日の晩のVfLヴォルフスブルク戦で同選手は、9分の間に5ゴールを挙げ、チームを5-1の勝利に導いたのだ。レヴァンドフスキが今季のゴール数を3から8まで伸ばすのに要した時間はちょうど8分58秒。完全にブンデスリーガの歴史を覆す数字を叩き出した。史上最速のハットトリック、史上最速の4ゴール奪取、そして史上最速の5ゴール奪取だ。

前半はヴォルフスブルクがリード

後半から途中出場したレヴァンドフスキは試合後のインタビューで言葉に詰まり、「45分間ですら5ゴールを決めたことがないのに、今日は9分間だった。相応しい言葉が見つからない」とコメント。そして「普通じゃなかったよ。僕にとってもバイエルンにとっても大きな歴史となった。信じられない夜だ」と振り返った。ペップ・グアルディオラも「監督としても、現役の頃も、このようなシチュエーションに遭遇したことがない。9分間に5得点。説明などできない」と驚きを隠せない様子で話していた。

一方、FCバイエルンの前半45分のパフォマンスの説明も違う意味で難しいだろう。立ち上がりこそよかったものの、「本当に強い相手(トーマス・ミュラー)」に徐々に手詰まり感が漂い始め、26分にはダニエル・カリジュリにゴールを奪われてしまう。さらに38分にはノイアーの飛び出しの隙を突かれ、ジョシュア・ギラヴォギに無人のゴールにロングシュートを放たれる。幸いにもシュートはポストに嫌われゴールにはならなかったものの、2失点目を喫していても全くおかしくないシーンだった。

全員が絶賛

マヌエル・ノイアーはその問題の場面を次のように振り返る。「あのシュートは幸いにも最後にバウンドが変わり、ポストの外側に当たってくれた。本当に嬉しかったよ。少なくとも一回は吐息を漏らしたよ」。そして後半についてはラームが、「やろうとしたことがたくさんあった。前半は攻撃の部分に少し問題があって上手く波に乗れなかったが、システムを変更して戦術も少し変えた。そうしたら良くなった。もちろんレヴィーの卓越したプレーのおかげでね」と説明した。

ポーランド代表FWは途中出場してから6分後に同点弾を決める(51分)。それがまさに歴史的な瞬間の始まりだった。なぜなら、それからヴォルフスブルクは立て続けに4失点を喫するからだ(52、55、57、60分)。ラームは「信じられない。ハーフタイム中に交代して入った選手が1人で数分後に5点も決めるなんて異常だ。僕自身、何年もサッカーをしているし、その前もサッカーの試合はたくさん見ているが、こんなことは未だかつて見たことがない」と、実際に起きた現象の凄さを強調した。

守護神ノイアーも、1991年以来(当時デュイスブルクのミヒャエル・テニエス)となる1試合5ゴールを決めた点取り屋を「素晴らしい経験だ。レヴィーがサッカーの歴史に名を刻んだ。一生に一度のことだよ。レヴィーが完全に乗っていた」と絶賛。だが、当の本人は「今日は満足できる。明日もまだ満足していられる。でも、その後はまた次の試合に集中しなければ。引き続き精進しないと。まだ6節だからね」と謙虚にコメントしている。とは言え、伝説の晩の思い出をしっかりと保管すべくレヴァンドフスキは、チームメイトからサインをもらった試合球を大事に抱え持ち帰っていた。